Main Page > 2.摩訶萬文庫(文章) > 3.80's Train 邦楽編
3.80's Train 邦楽編
このページの説明はこちら ⇒ クリック
メモ(総括02)
ばんちーにょというサイトの83年日記というコーナーに、ちょっと衝撃を受けた。その名の通り管理人さんの20年前の日記が公開されているのだけど、その大半がYMOがらみのこと。大好きなYMOを83年当時の日記を通して浮き彫りにしようという意図が感じられ、実際、読んでいると浮き彫りになってくる。目からウロコが落ちた。僕は、日記をつけてなかったので、当時を思い出しながら書いてみた。記憶の空白は適当にごまかしていますが、あしからず。 (2001/kageyama)
[トップへ戻る]
R.B.F.1984/オムニバス(キャ→、ハイディナッシュ、THE LOODS、パイディア)

少年ナイフが好きだった女子高の友達に「これ(キャ→)もなかなかいいよ」と貸してもらったのがこのレコード。「オヤジ、汚い」みたいな女の子の当時の本音(?)を自然な文体で吐き出しているレディースパンクバンド。「これもなかなかいいよ」という友達の舌足らずなおすすめ文句からは、"少年ナイフみたいな、私達には真似のできないイマジネイションこそ感じないけど、これもなんだか聴いてるとスカッとしちゃって、自分にもなにか出来そうだなって気がしてくんの"そんなニュアンス(ニュアンス?)が感じられた。このオムニバスには結構有名だった曲「ピラニア・ボーイ」のファーストテイクが収められている。またここのサイトで「ピラニア・ボーイ」がちょっとだけ聴ける。ただしこちらは2度目にレコーディングされたもの。
[トップへ戻る]
シンクーム/ロシアバレエ団(85年)

85年当時つきあっていた彼女に「サークルに綺麗な先輩がいる」と言われて一目見ようと一緒に大学まで見に行った(註:綺麗な女性を見たかったんじゃない。恋人が綺麗だと言う人はどんな人か見たかったのだ。・・ま、同じようなものか)。その女性は予想に反して小柄だったけど、眼がとても大きく、背筋をしゃきっと伸ばして校庭を横切る姿は確かにかっこいいかもしれないと思った。その女性がボーカルをつとめるバンド、ロシアバレエ団が、ナゴム(有頂天のケラが主催した自主制作レーベル)からレコードを出したというのは、かなり意外だった。新宿ロフトのナゴムナイトで、初めて彼女達の演奏を見た。ボーカルの女性はバレエのレオタード姿で新体操のような踊りを踊っている。今だったら松っちゃん風に「だって、レ・オ・タ・ー・ド着て踊ってるんですよ」と突っ込みたくなるが、その時の気持ちは少し違った。"そんなに頑張らないで!"。彼女は自然体の方がかっこいいのに。
それから約3年後、彼女はまんが家中尊寺ゆつ子としてデビューし、オヤジギャルという流行語を生み出していた。頑張った方がいいのは僕だった。(2001/Kageyama)
[トップへ戻る]
アニマルカフェ/愛のまるやけ/ケラ(85年)
高校時代に僕が住んでいた町の繁華街に畳2帖ほどの小さな古着屋が出来た。16歳の女の子が店員で、どこかから拾ってきたような丸椅子にいつも腰掛けていた。彼女は青々としたスキンヘッドだったけど、透けるような白い肌でとても端正な顔だちをしていた。ラジカセからは、いつもダムドやラフィン・ノーズなんかがかかっていたけど、彼女は特に聴いている風でも無かった。そして誰が来ても全然しゃべらなかった。ある日、僕はその店内の隅でこのレコードを見つけ、つい「いいなあ」と言ってしまった。限定400枚で田舎で拝めるようなレコードじゃなかった。「あげる」と言われた。「好きじゃないから、持ってっていいよ」。当時僕はよほど阿呆だったのか、喜び勇んでもらって帰った。
この2枚のミニアルバムは、当時のケラの原油とも言うべきどろどろとした才能が聴ける貴重な作品。なんたって「足の裏と脇の下のシュールをかき出せ~」なんて詩が、「お母さんといっしょ」みたいな曲に載せて歌われるのだ。普通、大人は評価できない。皮一枚もつながっていない。まったくもって不謹慎を音楽にしたような音楽。しかし他の誰もが表現出来ないことを表現していた。ソフィスティケイトされていく世の中に失われつつあった叙情的なメロディに、ネイティブな日本語が力強く溶けあった。見た目へなちょこな少年がそのまま大きくなったようなケラが「僕が昨日を予言するんだ!」と繰り返し叫ぶ。夢の遊民社の公演をわずか5分で見たような理由もない涙が出てくる。
僕は当時まったくお気楽で、このレコードも友達にほいほい貸していたらついには戻って来なくなった・・・。古着屋の女の子は、今どんな音楽を聴いているだろう。(2001/kageyama)
[トップへ戻る]
千の病を持つ男、ヘンテコHEAVEN WORDS/有頂天(オムニバス「OLIMPIC」収録)
インディーズ御三家と言われ、絶大なカリスマ性を誇りながらも、一方で生理的に受け付けないと言う人も多い有頂天。「ホラ、見てよ、この私、病。これでも病。病で踊る。それだから、今日も私の空赤い、嬉しくって涙が出ちゃう~」・・・「千の病を持つ男」は、有頂天の核であるケラのアイロニカルな姿勢が、割とストレートに歌われた初期の名曲。もしもこの世がまともだって言うなら、私は病気。ほら、空だって赤く見えるよ!・・・。ケラは、後にその分かりやすさが気恥ずかしくなったらしく、これを大幅にリメイク。歌詞も修正され、なんだか分からなくなってしまった。有頂天の音楽は、ケラが理性を立てれば立てる程つまらなくなっていったと僕は思う。(2001/kageyama)
[トップへ戻る]
メモ(総括01)
この頃の日本には"普通幻想"が浸透していた。
「一年間何ごとも無く、平凡で普通が一番幸せ」みたいな考え方だ。でも普通って何? 実際には人の容姿や能力や資産は千差万別で、圧倒的な格差があるにも関わらず、それを見て見ぬ振りする大人たち(メディア)に対して、ちょっとまともな神経の持ち主なら嫌悪感を覚えたはずだ。当時の日本のインディーズ・シーンは、幻の幸福がメディアから吐き出されていた時代の"パンドラの匣"だったかもしれない。
(2001/kageyama)
[トップへ戻る]
どてらいやつら(86年)/町田町蔵FROM至福団

86年に雑誌宝島のJICC出版局(現・宝島社)から発売されたカセット・ブックで、INU時代の北田昌宏と元タコの山崎春美を含む,至福団が中心となって製作。ブックレットには、アルバム全体を通して筋の通らないストーリー仕立てになっている歌詞から、インタビュー、雑談、スナップショット、しあがり寿の漫画と、雑誌のパロディのような体裁で収められたブックレット付き(ほとんどおふざけ)。当時、これを読んで、「こういうまともな仕事もできる人たちだったんだ」と本気で感心した僕はかなりのお子サマだった。音はINU時代とはガラリと変わり、ノイズを中心としたサウンドコラージュ的なもの。最近で言えばシュトゥック・ハウゼンあたりに近いが、ハウゼンのようにセンスの良さをひけらかさない。 (2001/kageyama)
[トップへ戻る]
メシ喰うな/INU (81年)

INUのボーカル、町田町蔵は恐かった。関西チンピラの風体で、痩せこけた顔に、短い髪を立て、分厚い唇は半開き。いつも怒った顔。しかし、本当に恐かったのは、彼の知性と暴力性の一体化したところだった。李白を口にして大笑いしたかと思えば、次の瞬間まさしくチンピラのごとく猛然と噛み付いてくるような落ち着かない態度。しかしながら笑うと非常に愛嬌あり、場合によってはかわいらしくさえある人柄。こういう人物に大抵の人は恐れを感じずにはいられない。要するに町蔵に嫌われる自分はみじめなのだ。
難解なものが多い彼の作品の中で「メシ喰うな」は、意外とギミックあり、爽快感ありの気持ちのいいパンクロックアルバム。ちょっとバースデー・パーティとか、テレビジョンとかの影響も感じるが、実際、曲歌詞共に名作揃いで中身が濃い。 (2001/kageyama)
[トップへ戻る]
あぶらだこ/あぶらだこ(85年)

通称「木盤」。轟音ギターにめちゃッ速のお祭り変則ビート。プログレッシブ・パンクとでも言いたくなる中期あぶらだこを代表する音。そんな珍妙かつ暴力的なサウンドに乗せて、ヒロトモの絶望感が溢れ出てくる。「いくら生きても生き足りない、いくら犯しても犯し足りない」という底なしの渇望から「1人殺し、2人殺し、3億で英雄」「象の上に乗って君らをみんな踏みつぶしてあげたい」という殺意へ、そして「ただ、うろたえる。忘れかけたのは、、ただ、うろたえる」という戸惑いから、「青い太陽はどこにでもいるし、、、宇宙のように生きたいと思うし」という解脱願望に至るまで。かと思えば「この人は、このHEATは、This heat」なんてギャグもかます(This heatは、音楽構造的な意味での徹底的な破壊と解体を行った音楽テロとも言われる79年頃のイギリスのバンド)。そんなわけで、非凡性への脱却を願うものに、強烈なカタルシスを呼び覚ました。(kageyama/2001)
[トップへ戻る]
あぶらだこ/あぶらだこ(84年)

これまでに発売されたほとんどのレコードタイトルが「あぶらだこ」。しかも7枚もだ。これだけでもこのグループの徹底的な非凡性がうかがえる。これは、84年に発表された通称「ADK12インチ」と呼ばれる最初の「あぶらだこ」。内容はハードコア。ハードコアっていうと、たいてい叫ぶんだけど、ヒロトモ(Vo)の叫びはちょっと普通じゃなかった。苦虫を一度に100匹ぐらいかみ潰したような、泣き怒こりの断末魔のごとき声。歌詞は哲学、神学、文学が入り交じったような感じで、大抵は厭世主義的な絶望感が歌われた。短いハードコアが続いた後で、メタルボックス時のPILを思わせる重厚な一曲「OUT OF THE BODY」が腹に残る。当時のあぶらだこのライブは、トリの時でも長くて20分弱。アンコールも何も無い。(kageyama/2001)
[トップへ戻る]
このページの説明
かつて、トレチンプロジェクトがあった…。と言われてもほとんどの人が何の話かわからないであろう。トレチンとは、2001年に存在した2つのWEBマガジン「trace」と「夕刊中年マカチン」の共同企画である。マカチンからは漫画「メッタシッタ」が、そしてtraceからはこの「80's Train 邦楽編」がそれぞれのサイトに提供され、そのコーナーには互いに往来できる「トレチンバナー」が貼られていた。思い出深い原稿なので、ここに復元いたします。kageyamaさん、大変お世話になりました。
[トップへ戻る]
- MENU
- Search
-
- Recent Entries
-
- ●メモ(総括02) (3.80's Train 邦楽編)
- ●R.B.F.1984/オムニバス(キャ→、ハイディナッシュ、THE LOODS、パイディア) (3.80's Train 邦楽編)
- ●シンクーム/ロシアバレエ団(85年) (3.80's Train 邦楽編)
- ●アニマルカフェ/愛のまるやけ/ケラ(85年) (3.80's Train 邦楽編)
- ●千の病を持つ男、ヘンテコHEAVEN WORDS/有頂天(オムニバス「OLIMPIC」収録) (3.80's Train 邦楽編)
- ●メモ(総括01) (3.80's Train 邦楽編)
- ●どてらいやつら(86年)/町田町蔵FROM至福団 (3.80's Train 邦楽編)
- ●メシ喰うな/INU (81年) (3.80's Train 邦楽編)
- ●あぶらだこ/あぶらだこ(85年) (3.80's Train 邦楽編)
- ●あぶらだこ/あぶらだこ(84年) (3.80's Train 邦楽編)
- All Entries
- Tags
- Feed
- 更新通知
-
- 更新通知メールお知らせ
※本Webサイト(CMP2000)の更新をメールでお知らせします。
- 更新通知メールお知らせ
- QRコード
-
- Powered by
